矯正治療の治療期間
矯正治療の治療期間は、年齢、装置、治療範囲によって異なります。一般的に、子どもの場合1~2年、大人の場合2~3年の期間が必要となります。
目次
年齢から治療期間を知る
子どもの矯正治療の治療期間
目安として12歳未満のお子さまは子ども矯正を行います。子どもの矯正では、大人の矯正とは異なり、ブラケット装置を使ったりしません。取り外しができる床矯正装置や顎の成長を誘導する舌側弧線装置などを使用します。
治療期間はお子様の状況により異なりますが、短いと6か月ほど。長いと2~3年かかることもあります。子どもの矯正が終わると、経過観察と呼ばれる期間に移行します。経過観察では、子どもの成長とともに歯並びがどのように変化するかを確認し、必要に応じて大人の矯正へ移行します。
大人の矯正治療の治療期間
大人の矯正の治療期間は、概ね2~2.5年です。中には、1年以内で終わることもありますが、滅多にないことですので過度な期待は禁物です。逆に、3年以上の治療期間がかかることもあります。年齢が高いとこのような傾向になります。年齢を重ねると歯が動きにくくなるため治療期間が長くなる傾向にあります。
装置から治療期間を知る
ブラケット矯正装置の治療期間
ブラケット装置を用いた矯正は、2~3年くらいです。表側(ラビアル矯正)と裏側(リンガル矯正)を比べると、裏側(リンガル矯正)の方が治療期間が長くなります。理由は、さまざまですが術者に起因するものが1つ挙げられます。裏側にブラケット装置をつけるリンガル矯正を経験している歯科医師が多くなく、不得手とすることがあります。ラビアル矯正とリンガル矯正はメカニズムが異なりますので、リンガル矯正の経験が少ない歯科医師の場合、治療期間が長くなります。
マウスピース型矯正装置の治療期間
マウスピース型矯正装置の治療期間は、2~3年くらいです。ブラケット装置を用いた方法と治療期間は変わりません。マウスピース型矯正装置の方が治療期間が短いと勘違いしている人が多いようですが、そのようなことはなく逆に長くなる可能性があります。
マウスピース型矯正装置は、一部の歯科医院で広告が過熱しています。広告合戦の一環で治療期間があたかも短いような書き方をしている記事を見かけますが実際はそのようなことはありません。マウスピース型矯正装置とブラケット装置を比べると、ブラケット装置の方が多種多様なアプローチが可能です。歯の動かし方に幅がありますので、どちらかというと、ブラケット装置の方が治療期間が短くなる可能性が高いです。
治療範囲から治療期間を知る
全顎矯正
全顎つまり歯並び全体を治す矯正は、治療期間が1年以内に終わることはまれです。2年3年はかかると思ってください。
部分矯正
前歯のみを部分的に矯正する部分矯正の場合、治療期間は半年~1年くらいです。部分矯正は、前歯が「すきっぱ」で隙間を埋めたいという方の矯正です。中には、デコボコも部分矯正で治せると勘違いしている方もいますが、基本的に、デコボコ、出っ歯、受け口などは部分矯正では治すことができません。